ぽぶお、ママチャリで大阪へ行く〜第2話:魔境!静岡と右膝の等価交換編〜

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どーもこんにちは。
大学時代は250ccのアメリカンなバイクで通学していました。
ぽぶおです。

今回は「ぽぶお、ママチャリで大阪へ行く」の第2話を更新です。

前回、後輩のばらおを無理矢理引き連れて、特に意味もなくママチャリで大阪を目指し始めたぽぶお。

2日目に圧倒的な試練を迎える。

果たしてぽぶおは魔境・静岡を超えることができるのか??

第1話をまだ読んでいない方はこちらから

ぽぶお、ママチャリで大阪へ行く〜第1話:静岡突入編〜


ぽぶおのブログを始めて読むよって方はこちら

バイト先に取り残される

この記事で学べること
◯静岡は横に長い

静岡のママチャリ上から

目を覚ましたのは朝5時。

前日23時まで進み続けた ぽぶお と ばらお は

ホテル代がもったいなかったので
道端にあった「快◯クラブ」という
ネットカフェで夜を明かしていた。
(伏せ字にするとなんだか怪しいな。)

初日、なかなかにハードなスタートを切ったわけだが

翌朝は疲れも感じず、
ばっちり早起きをすることができた。

というのも実はぽぶお、
大学時代はスポーツトレーナーの勉強をしていたのだ。

その知識をフル活用し、

寝る前には
しっかりとストレッチやアイシング、
温水と冷水の交代シャワーで血流促進など
完璧なケアを行ったため爽快な朝を迎えられた。

注)場所はネットカフェである。

また、
心配していたお尻も問題ない。

出発前、諸先輩方にお話を聞いていると

みなさん口を揃えて

ケツがヤバいから!

と教えていただいた。


しかしながら、

まるっと半日も自転車を漕ぎ続けたはずの

ぽぶおのおケツにはなんの異変もない


なぜかって?


ママチャリだからである。


やんちゃな子どもを連れて
日常と戦うママさんたちのために設計された
幅広ぷにぷにのサドルが
ぽぶおのおケツを優しく包み込んでくれていたのだ。


さすがである。


ぜひ皆さんにも
遠出の際にはママチャリをおすすめしたいと思う。

ママチャリ 26インチ
ゴーゴーサイクリング

(ほんの出来心でママチャリのリンクを貼ってみるが、間違ってもクリックしないように。ただの出来心だから。)

話を戻そう。

そんなこんなで
明け方5時から国道1号線沿いを
元気よくかっ飛ばす ぽぶお と ばらお

天気は快晴

地図をみると
かなり海沿いを通っていることがわかる。


これはもしや


ステキな景色が拝めるのではないか?


やはり旅路の醍醐味といえば景色である。


「世界の車窓から」というわけにはいかないが
「静岡のママチャリ上から」駿河湾を一望してやろう


周囲には海産物や運送系のお店が増え、
潮の香りも漂ってきた。

まもなく海岸線と並行する道に入る。


そろそろ目の前が開けるか?


海と空がはるか彼方の地平線で交わっているのか?


期待に胸を膨らませ、
勢いよく角を曲がったその先は













壁だった。


「太平洋自転車道」という
大層な名前がついた道の左手海側は


ただひたすらに高い
コンクリートの壁だった。


そりゃあそうだよね。

浜風とか強いもんね。

横風で煽られたりしたら危ないもんね。











どうっでもいい


そんな配慮はどうでもいいから
海を見せてくれ。


遥か彼方の地平線を眺め
気持ちのいい朝日を浴びさせてくれ


静岡のママチャリ上から

「うわぁ…すげぇ………」

と言わせてくれ。。。


結局、その願いは叶わないまま
お昼頃には初日の目的地だった「静岡駅」に到着した。

静岡は横に長い

御殿場の壁を感じながら
静岡に入ったのが前日の19時

静岡滞在時間は
ここまで実に17時間。
ネットカフェにいた時間を除けば11時間

静岡に入るのも大変だったが
静岡に入ってからも

なかなか険しい道のりだった。


この勢いで今日の目的地は「名古屋駅」

ひとまずは

静岡駅ついたぜ!
ヒャッホーイ!!

という浮かれたテンションで
静岡出身の同級生にLINEを送る。


(同級生からの返信)
おー!お疲れ!これで静岡も半分だね!
ファイト!











はい?




静岡も半分?



シズオカモハンブン??


ハンブン????

半分!?!?
!?!?!?


衝撃の事実である。


静岡駅に到着し、


後ちょっとで静岡も終わりだぜ!


くらいのテンションでいた。




が、まだ半分




この思いをもう一回繰り返さなきゃならないなんて。。。


そんなの地図見ればわかるじゃん?


と思ったそこのあなた。


わかってない!

あなたはなんっにもわかってない!


ただひたすらにママチャリを漕ぎ続けるというこの旅において

「県境を超える」

というイベントが
どれだけすり減った心と体を潤すのか

あなたは全然わかっていない。


地図を見て知っていることと
実際にママチャリで静岡を横断することは

人気漫画と実写版映画ぐらい別の話なのだ。


これからママチャリで大阪を目指すみなさまには

静岡は横に長い

ということだけお伝えしておこう。

ガラスの右膝

そして、さらなる試練がぽぶおを襲う。

静岡駅を出てすぐ


ピキっ


右膝に違和感を覚えた



いやいや


大丈夫っしょ


このくらい


いけるっしょ


と、自分に言い聞かせて進んだ。


しかし、

徐々に


徐々に存在感を増してくる右膝の違和感



3時間後


ついに「違和感」は「痛み」に姿を変えた



限界である。

一漕ぎごとに右膝が存在を主張してくる。

特に、立ち漕ぎが一番しんどい。

体重が乗せられない。


これは非常にまずい。

立ち漕ぎというのは、
ママチャリの生命線だ。


立ち漕ぎができないママチャリライダーなど
バーベキューで肉を買い忘れてくるくらい致命的だ。

これからまだまだ山越えもしなくてはならないのに…

立ち漕ぎなしで、山を越えられるのか?
ほんとうに大阪までたどりつけるのだろうか??


圧倒的な不安が
ぽぶおを襲う。


さらに、ぽぶおの隣には
無傷でクロスバイクに跨る後輩。


立ち漕ぎができないママチャリのぽぶお
なんの問題もないクロスバイクのばらお


みじめだ。


先輩としての威厳もくそもない。


出発前、

大阪に着くのが先か?
ママチャリが壊れるのが先か?



とかなんとか言っておいて


何よりも先にぶっ壊れたのは、ぽぶおの右膝だった。


みじめだ。


サビだらけでボロボロのママチャリ以下という
ぽんこつの右膝である。


いや、右膝がぽんこつなのではない

ぽぶおがぽんこつなのだ。

ぽぶおの「ぽ」は
「ぽっちゃり」の「ぽ」ではなく
「ぽんこつ」の「ぽ」だったのだ。

ぽっぽっぽっぽ
うっせぇわ。


普段穏やかなぽぶおだが
こんなに口が悪くなるほど
この時の心はすさんでいた。

なおも攻め立てる静岡

どれだけ心がすさんでいようと
どれだけ右膝が痛もうと

静岡はまだまだ続く。

進んでも静岡
戻っても静岡だ

ここまできたらとにかく進むしかない。

膝の痛みを堪えながら
必死でママチャリをこぐぽぶお


静岡もあと1/3くらいだろうか。


掛川あたりの穏やかな田んぼ道で
遠くにぽつんとたたずむ売店が見えた。



古びた赤い看板に書いてあった文字に衝撃を受ける。




たこ焼きハンバーガーソフトクリーム




なんだそれは!?!?

一体どんなソフトクリームなんだ!?!?


あったかいものと
あったかいものと
冷たいものを組み合わせて
成立するのか?

それは果たしてソフトクリームの形状を成せるのか??


あまりの衝撃に
膝の痛みを忘れるほどだった。


「静岡 たこ焼きハンバーガーソフトクリーム」

とGoogleさんに聞いてみるも答えは返ってこない。


これはもしや

静岡の辺境で
まだ世間に知られていない
世紀の大発見をしてしまったのではないか?

自分たちがこの衝撃のスイーツの、第一発見者なのではないか??


右手に期待
左手に不安
右膝に爆弾を抱え

恐る恐る売店に近づいていく


いざ!!


正面のディスプレイを覗く



そこには










たこ焼き



ハンバーガー



ソフトクリーム



それぞれ並べてディスプレイされていた









返せ。




終わりの見えない静岡に疲れ
右膝を痛みながらも必死ですすむ
ボロボロの心に灯った



わずかなワクワク感を今すぐ返せっ!!


考えてみれば、そりゃあそうだ。


どう考えたってたこ焼きとハンバーガーとソフトクリームは共存できないだろう。


そんな正常な思考もできないほどに
やっぱりぽぶおの心はすさんでいたのだ。

それでもなお、攻め立てる静岡

時刻は16時過ぎの夕暮れ時。

掛川、藤枝を越え
浜名湖が近づいてきた

膝の痛みとたこ焼きハンバーガーソフトクリームのダメージで

ぽぶおは一言もしゃべらず、うつむきながら無心でママチャリをこぎ続けていた。


ついにそれを見かねたばらおが


ママチャリとクロスバイク交換しますか?


と優しい提案をくれた。


ぽぶおとしては、
やっぱりママチャリだけで大阪まで辿り着いたという実績が欲しかった


ここまでも何度かばらおに自転車の交換をお願いしようかと思ったが、

それでもママチャリと自分の初心にプライドをもち、言葉を飲み込んできた。


しかし、

これ以上ローペースで足を引っ張り
後輩であるばらおに迷惑をかけるのも申し訳ない。


ぽぶおはプライドをかなぐりすて
ママチャリを降りる決意をした。



しかし、なおも運命はぽぶおに試練を与える。


考えてみてほしい。

なぜぽぶおは膝を痛めて
「立ち漕ぎ」ができなくなってしまったのだろうか?


それは
膝を伸ばすと痛みが出る
ようになったからだ。



そして、
クロスバイクのサドル位置は
ママチャリのそれよりも高い。


つまり
座って漕いでもママチャリより膝が伸びてしまうということだ。


そんなことも考えずクロスバイクに跨ったぽぶお


リスタートをしてすぐのこと





ん、、あっ、、いっ、、あ、あんっ、、





なんのプレイだ。

膝の角度が絶妙に痛いところを刺激してきて声が抑えられない。


もう嫌だ。


後輩に気を遣われ
ママチャリで完走する
というプライドまで捨てたのに


なぜ情けない喘ぎ声まで後輩にお届けしなくてはならないのだろう。


もう嫌だ。。


この辺りでぽぶおの心はぽっきりと折れてしまった。


この日は名古屋駅まで進むつもりだったが
ギリギリ静岡を抜けた豊橋でストップした。


なんとか静岡を越えることはできたものの


海の見えない太平洋自転車道

ママチャリ以下の右膝

たこ焼きハンバーガーソフトクリーム

なおも攻め立てるクロスバイク


静岡はたくさんのものを
ぽぶおから奪っていった。


まさに魔境である。


何かを得るためには同等の対価が必要になる。
等価交換の原則でいうならば

静岡を越えるためには
綺麗な景色とワクワク感とプライド、
そして右膝を差し出す必要があったのだ。

新大阪駅まであと230キロ

明日も右膝が同じ状態なら
名古屋駅までなんとか頑張って
そこから電車かヒッチハイクに切り替えよう…

こうして怒涛の2日目は絶望のうちに幕を閉じるのだった。


次回、「起死回生の3日目!パラリラパラリラちりんちりん編」に続く。

ぽぶお
ぽぶお

この日のおかげで、社会に出てからも9割の出来事はへっちゃらだと思えるようになりました。
みんなも元気出してこーぜ。この時のぽぶおよりはきっとマシだよっ♪

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