ぽぶお、ママチャリで大阪へ行く〜最終話:永遠の500メートル〜

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どーもこんにちは!

暗いのと怖いのが苦手なぽぶおです。
ホラー映画なんて絶対観ない。

今夜はいよいよママチャリ大阪旅行の最終話!

特に意味もなく始めた奇行も

気がつけばゴール目前。

数々の苦難を乗り越え、

ぽぶおは無事に新大阪駅に着くことができるのか??

一筋縄では終わらない最終日が

幕を開けるっ!!

この記事で学べること
◯おうちに着くまでが遠足です。

前の話をまだ読んでいない方はこちらから
第1話:静岡突入編
第2話:魔境!静岡と右膝の等価交換編
第3話:起死回生の3日目!パラリラパラリラちりんちりん編

ぽぶおのブログを始めて読むよって方はこちら
バイト先に取り残される。

最終日、開幕

朝5時

ぽぶおはいつものように薄暗いネットカフェで目を覚ました。

昨日同様、仰向けのまま右膝を動かしてみる。

ふむ。若干の違和感はまだある。
昨日の朝と同じくらいか。

うつ伏せになり、
手を「グー」で地面につき起き上がる。

こうすれば
手首も痛くない。

昨日の反省をしっかり活かし

今朝はなんの奇声も発さずに起き上がることができた。

さすがのぽぶおも毎日奇声をあげてはいられない。

静かな朝。まずまずのスタートである。

さあ、
最終目的地の新大阪までは

あと105キロ

順調にいけばお昼すぎくらいには着くはずの距離だ。

待ってろよ!
新大阪!!!


ぽぶおとばらおは元気よくペダルを漕ぎ始めた。

最後の砦『鈴鹿峠』

鈴鹿峠が最後の難関。
そこを越えれば

後は大丈夫!

ぽぶおは出発前
先輩自転車トラベラーからそう聞いていた。

出発して30分後
峠のふもとらしき場所に差し掛かったとき
その意味を理解した。

上り坂だ。

初日に体感した
終わりの見えない上り坂

これは確かに大変そうだ。

さらに、


もう1つ問題があった。


暗闇である。


鈴鹿峠は「峠」というか
もはや「山」だった。

道は舗装されてはいるものの
両サイドは普通に山肌と崖で

街灯がほぼない。

11月の朝5時半といえば
まだ夜明け前ということもあり

びっくりするほどの暗闇がぽぶおたちを待ち構えていた。


ここで大事な情報をお伝えしたい。


ぽぶおは怖いのが苦手である。


ホラー映画とかお化け屋敷とか
まじむり勘弁してごめんなさい。
といった感じである。

前々から
人見知りであることはお伝えしているが

加えてビビリであるという情報も
ご承知おきいただきたい。

相変わらず、
とんだぽぶおである。


つまり
何が言いたいかというと


暗闇の山中


ってもんのすごい怖いのだ。


昨日の特攻服のおにーさんたちとは
また別の怖さがある。

ママチャリに乗っていなければ
一歩下がってばらおの裾を
ぎゅっとしてしまうところだ。


そんなわけで
暗いのが怖かったわけではないが

スマホのライトで前を照らしながら進むことにした。

そして
無音が怖かったわけではないが

音楽をかけながら進むことにした。

選曲をばらおに任せたら


FLOWのGO !という
懐かしくテンションの上がる曲を
かけてくれた。

ナイスだDJばらお

光と音があれば怖くなんてないさっ!


うぃーあーふぁいてぃんどりーまーず
たぁーかみーをめーざしーて


ふぁいてぃんどりーまーず
なぁーりふーりかーまわーず


ふぁいてぃんどりーまーず
しーんじーるがーままに


おーりおーりおりおぉ〜



ガサガサッ!!
ズダダッ!!
ぴょうわぁぁぁ

あっ!!


能天気に歌いながら進む2人の目の前を

大型の鹿っぽい動物が
いきなり横切っていった。


左から右へ


暗くて一瞬だったので
正確には見えなかったが

きっとあれは鹿だったのだと思う。

そして、ズダダッのあとの
ぴょうわぁぁあっ!!は

ぽぶおの悲鳴だったのだと思う。

でも、ばらおも驚いてたし
リズムも良かったから

きっと気づかれていないと思う。

うん。そう思う。

けっきょく1日1回は
奇声を発してるんじゃないだろうか。

やはり、
大阪には一筋縄では辿り着けないようだ。

そうこうしている間にだいぶ明るくなってきた。

こんどこそ
もう怖いものなんてないさっ!

あとは下り坂が待っているだけさっ!!


意気込んでペダルを漕ぐぽぶお


びゅんびゅんと風を切って進むぽぶお


そして




















新大阪駅に到着した。

新大阪駅に到着した。

新大阪駅に到着した。

新大阪駅に
到着した??
(4回目)

急だった。

鈴鹿峠からずいぶん急な展開だった。


もうブログめんどくさくなった??


いやいや違う。

けっしてそんなことはない。

手抜きではない。信じてほしい。

先輩ライダーが教えてくれた通り


峠を越えてからは本当に
すーーーーっと進んでいった。


新大阪ってこんなに標高低いんだ。
ありがとう大阪平野。


とか思うほどにすんなり進んでしまった。

出発するときは
15時くらいに着くカナー

と思っていたけど、

実際には13時前には着いてしまった。

感慨深い涙のゴールを期待していた皆様には非常に申し訳ないが

最後はだいぶあっけなく目的地に到着してしまった。

ぽぶお自身も
「あれ?最後はもっと感無量な感じになると思っていたのに」
とびっくりしたほどである。

とはいえ!!

到着は到着である!

東京から新大阪までおよそ500キロ!

ママチャリで見事完走したのである!!

おめでとう!!ぽぶお!!

よっ!

男前っ!

にっぽんいちっ!!

おうちに帰るまでが遠足です。

さて、

そろそろ気になり出している人も多いのではないだろうか。

『この後どうやって帰るの?』と。


ご安心いただきたい。

さすがにここまでの経験をして

ママチャリで東京まで帰るZEっ☆

というほど脳みそは腐っていない。

帰りは翌日の高速バスを利用する予定だ。


そこでまた疑問が湧いてくる。


『え?じゃあママチャリはどうするの?』と。


ご安心いただきたい。

その辺りもきちんと考えてある。

大阪には数少ないぽぶおの友人が在住している。

今夜はその友人宅に泊めてもらい。


そいつに

『次はキミの番だZEっ☆』

とママチャリのキーを渡し、
彼にも大阪→東京のママチャリ旅をプレゼントする
という算段である。

こうしてぽぶおは友達を失っていくのだろう。

つまり、
友人宅にたどり着けば
このママチャリ旅も
本当に終わりということだ!


さあ!いよいよフィナーレである。

永遠の500メートル

友人宅までは新大阪駅から500メートルくらい

予定より早く着いてしまったこともあり、

近くのラーメン屋さんで
お昼を食べてから向かうことにした。

ガヤガヤした店内に入り、
美味しいラーメンでばらおと祝杯をあげる。

この4日間はコンビニ食が基本だったので、
久々の温かいラーメンはとってもおいしかった。

ラーメン屋でお腹も心も満たされ、
さあ、いよいよ終着の地へ。


着いたらひとまず爆睡してやる!


ネットカフェじゃない
寝床なんて久しぶりだな♪


意気揚々とママチャリを漕ぎ始めた瞬間だった。





ズバァァン!!





電流が走った。


どこに?



左膝にだ。


まって。

ちょっとまって。

むりむり。

めっちゃ痛い。

ほんとに痛い。

何しても痛い。



急に黙るぽぶお。
冷や汗も止まらない。
一旦ブレーキを握って止まる。


なにもしていないのに
膝がずくんずくんしている。


やばいやばい。


語彙力もだいぶ低下している。


やばいやばい。


どうする?

ここからどうする?


友人宅まではたったの500メートル


あとほんのちょっとだ。


ほんのちょっとだけ
痛いのをガマンすれば


あったかいお布団が待っているのだ。


いくぞ。

いくぞぽぶお。



覚悟を決めて再び地面を蹴る。





えいっっ
あんっっっ





むりだ。

ぜんぜんむりだ。

めっちゃ痛い。


ひと蹴りで2メートルくらい進んだけど
また止まってしまった。


どうしよう
もう一歩も動ける気がしない。


どうしようどうしよう


右膝とか手首とか
他にもいろいろ痛い


どうしようどうしよう


疲れと痛みでIQが低下するぽぶおに
さらなる試練が降りかかる


ぽつ

ぽつっ

ぽつぽつっ


雨だ。
雨が降ってきた。



どうしようどうしよう


節々が痛む身体
強くなる雨
下がっていくIQ


どうしようどうしよう


ゴールを目前に立ちすくむぽぶお


助けを求めるぽぶおに
後輩のばらおが言った





濡れちゃうんで
先行ってますね





ばらおっっっっ


おい、ばらおっっっっっっ


置いてかないで!


ああっ!


置いてかないでっっっ!



ここまで500キロ
大変な道中を共に乗り越えてきた同志は
薄情にもそそくさと行ってしまった。



行くしかない。
もう痛いとか関係ない。


たったの
500メートルだ。

ここまで

500キロ
走ってきたんだぞ。


そのぐらい痛みを堪えて進むくらい
なんてことないさっ!!!

できるさっ!!

ぽぶおはやればできる子なんだからっ!!


いくぞ!!



えいっ!!





あっ

ん”ん”っ

お”っ

うっおおっゔっ

ゔゔっ

おぉぉぉお”お”お”お”


ぶっ

あっい”っ

やっ


あ”あ”あ”あぶっ


ひっひぐっえ”ぐっあぐっ



正直、この後のことはあまり覚えていない。

気がついたら友人宅の布団の中にいた。


記憶には残っていないが、
少なくとも最後の500メートルが
一番辛かったことだけは確かだと思う。

やはり、
旅は最後まで気を抜いてはいけないということだ。

そんなわけで、

ぽぶおのママチャリ大阪旅行は
こうして幕を閉じた。


最短距離を過信してはいけないこと。

上り坂は怖いということ。

静岡は横に長いということ。

たこ焼きハンバーガーソフトクリームなんて存在しないこと。

鈴鹿市はうるさいということ。

暗闇は怖いということ。

最後まで安心してはいけないこと。

この旅を通して、
たくさんの学びを得ることができた。

たくさんの奇声をあげることもできた。


みなさんも

人生で行き詰まったときには

自分を探しにインドへ行くのではなく

ママチャリで大阪へ行くといいだろう


きっと、
新しい自分に出会えるはずだから。


まあ
ぽぶおは
もう2度と
やらないけどね!!

ぽぶお
ぽぶお

ついに。完結しました。
全4話で約2万字も書いてしまいました。
実は書き切れてないこともあるのだけれど。
それはいつかぽぶおと直接会った時に聞いてくださいな。
楽しんでもらえたなら、感想とかシェアとかしてもらえたら嬉しいです!
それではっ!

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